寝酒は、欧米では「ナイトキャップ」といって一般的な風習となっているようです。
日本では18.6%の人が、睡眠補助のために飲酒をしたことがあるようです。
アルコールには気持ちをやわらげ、精神の緊張をほぐす作用があるので、夕食時の軽い晩酌などのように、眠るために飲むのでなければ、リラックスして眠れるという効果もあります。
しかし、常用したり、大量に飲んでしまったりするのは、かえって逆効果です。
アルコールは夜間前半の睡眠を深くする作用もありますが、その作用が2時間くらいで急に消えるため、睡眠後半の眠りが質的に悪化します。夜中に目が覚めたりして、睡眠が不安定になってしまいます。
また、アルコールは「慣れ」を生じやすいので、毎日飲んでいると、だんだん量を増やさないと眠れなくなってしまいます。
「睡眠薬よりお酒のほうが安全」「睡眠薬代わりにお酒を…」などと思っている人が多いようですが、これは大きな間違いです。
不眠症の場合はアルコールに頼るよりも、医師に処方された睡眠薬のほうがかえって安全で効果的なのです。