人は眠らないと生きていけません。
寝不足が続くと、日中に眠気に襲われることが多くなり、集中力や判断力が低下します。また、食欲不振や胃腸障害、倦怠感などの症状が現れたり、イライラして落ち着きがなくなったり、ものごとに対する意欲が低下して、精神的にも不安定になってきます。
加えて、免疫機能が低下して、風邪などの病気にかかりやすくなるという悪影響も現れてきます。
睡眠は、人間にとって三大欲(食欲・性欲・睡眠欲)にも挙げられるほど大切なものなのです。
とはいえ、ただ眠ればいいというものではありません。
というのも、睡眠には「質のいい睡眠」と「質の悪い睡眠」があるからです。
たとえば、必要以上に眠ってしまった場合などには、深い睡眠は最初の3~4時間にしか出現しないので、質の悪い、浅い睡眠の時間が増えてしまいます。
その結果、起きたときに気分が悪く、身体もだるいということになってしまいます。
こうした「寝過ぎ」の状態が続くと、睡眠は全体に浅くなり、中途覚醒も増えて、睡眠の効率が非常に悪くなっていくのです。
さらに、睡眠と覚醒のメリハリがつかなくなり、夜はいつまでも寝つけず、逆に日中に眠気が生じるようになります。ときには憂うつな気分におそわれたり、意欲低下を招いてしまったりすることすらあるのです。
それだけに、いかにして「質のいい睡眠をとるか」が、大切なことになってくるわけです。
仕事が詰まってきたり、やりたいことが重なったりすると、つい、「ああ、なぜ人は眠らなきゃいけないんだ。眠らなくてすむなら、もっといろんなことができるのに!」などと考えてしまいがちですが、その考えは間違っています。
「質のいい睡眠」をとることこそ、日々の生活を充実させ、自分の能力を最大限に発揮する唯一の方法なのです。
ですから、キチンと質の高い睡眠をとって、最高の状態で仕事する方が、遥かに効率が良いと言えます。
寝過ぎると朝つらいのは、睡眠の質の低下が原因です。
質の高い睡眠を、必要十分な長さでとることが、最もおすすめできる睡眠方法です。